マンション、アパート点検の入室率

おはようございます。八巻です。

 

さて、マンションやアパートなどの共同住宅における消防点検で

どのくらいの入室率があるか?についてお話ししたいと思います。

 

弊社点検の場合で、現実的な数字で書きますと

平日で20~30%、土日で50~70%

くらいが妥当なところかと思います。

 

えっ、そんなものなの?

と意外に感じられるオーナー様も多いかもしれません。

 

あくまで平均値なので、

平日でも100%近い入室率のアパートもあれば、

土日なのに30%も入室出来ないマンションもあります。

 

この入室率を左右する理由のひとつに、

居住者の属性が大きく関わっているように感じます。

 

平日、土日ともに入室率が芳しくないのは、ワンルームマンションです。

最近はコロナ禍のためリモートワークで在宅している方も多いですが、

基本的には日中お仕事に行かれている方が多いので

平日にお伺いしても留守がほとんどです。

40室のマンションで実施出来たのが2室!なんていうこともザラです。

では土日はどうかと言いますと、表現は良くないですが

「居留守」でインターホンの時点で応答していただけない

ということも体感上、多いです。

 

ピンポーンとインターホンを押した後、

明らかに部屋の中から物音がしているのに

一切応答が無かったり・・・

他のお部屋のインターホンを押している際中に

別のお部屋に帰宅された方がいたので

そちらのインターホンを押してみても

全く無しのつぶて・・・

 

例えばインターホンを押した時

たまたまトイレや入浴中であったり

洗濯物を干していて聞こえなかったり

電話中で応対できなかったり

などなど居留守ではないケースもあろうかと思いますが、

「部屋を見られたくない」

「面倒くさい」

「そもそも他人に入って来られたくない」

といった、入室自体に前向きではないお考えの方も

ワンルームマンションには多いように感じます。

私が伺って不在と判断したお部屋に、

宅配業者が来たらすんなりとドアが開いた

そんなケースもあったりしました^_^;

今時はカメラ付きのインターホンも多いので

歓迎すべき来訪者以外は全てNGと

ご判断されているかもしれません。

 

逆に、平日でも土日でも入室率が高い

共同住宅のパターンもあるのですが、

誰がお読みになるかわからないブログなので

空き巣や詐欺など良からぬことを考えている輩に

逆利用されかねない可能性を考え

書いている途中で削除しました。

お聞きになれば、なるほど確かに、と

頷いていただける理由があるかと思います。

 

弊社の物件でも、入室率を少しでも上げたいと

防災意識の高いオーナー様がおられ、

土曜の点検時間をいろいろ変えてみたり

強めの告知文書を居住者に配ってみたりされていますが

あまり変化はありませんでした。

 

また、不在宅はオーナー様(又は管理会社)が

同行の上合鍵で入室します、という共同住宅もありました。

入居契約時にそういうお話をされていたり、

昔ながらのお付き合いでオーナー様の意向を

居住者の方が理解されている場合は

こういう共同住宅もあったりしますね。

 

火災を未然に防ぐため、出来るだけ居室内においても

実施率を高めることはとても大切であると同時に、

居室内は「誰にも侵されることのない居住者のプライベート空間」

であることも事実なので

一概に入室率を高めるといってもなかなか難しいところです。

 

余談ですが、

「共同住宅用自動火災報知設備」といって

入室して感知器を直接点検しなくても

玄関外のインターホンに外部試験器を繋げて

外部から点検の出来る設備が建築時から備わっている建物もあります。

(建前上、と言ったら怒られますが、感知器の目視点検は

随時居住者がすることになっています)

ただしこれはある一定の条件を備えた建物で、

現在設置されている自動火災報知設備を

共同住宅用自動火災報知設備に変更する、ということは

難しいです。

 

以上、入室率について今回はお話しをさせていただきました。

防火防災の観点から、一人でも多くの方に

消防点検がいかに重要なものであるか

ご理解をいただけるようにこれからも精進してまいります。