こんにちは、八巻です。
消防設備の新規設置や改修工事等を行う場合、
原則として「着工届」→「設置届」→「消防検査」
という一連の流れがあります。
着工届は、工事開始予定日の10日以上前に
設置届は、設備設置or改修終了後4日以内に
それぞれ消防署へ届出書の提出が必要になり、
着工、設置届の内容通りに工事がなされているかを確認するため
現地へ消防官が来訪しての消防検査が行われます。
ただし工事対象設備が1種類、且つ
「新設・増設・移設・取替え・改造」のうち1種で
対象個数が一定数以下である場合は着工届、消防検査が免除になり
設置届の提出だけで済む場合もあります。
(東京都の場合。お住いの地域により違う可能性があります)
そんな中、先日埼玉県某市にて消防検査を受けてきました。
内容は「煙感知器2個増設」「誘導灯1台増設」で
数量は少ないですが対象設備が2つあるということで
消防検査は免除にならず、検査の実施となりました。
あらかじめ提出してある設置届を持って、消防官が3人来ました。
大抵2人なんですけどね・・・
無類の階級マニアである私は、消防官と会う機会がある時
胸のポケット上についている階級章をチラ見します笑
(画像は東京消防庁よりお借りしました)
リーダーらしき女性消防官は消防司令補さん。
2人目が消防副士長でもう一人が消防士。
この新人の消防士くんが現場勉強に来たのかな。
などと想像しつつ、軽い挨拶の後、設置届の内容に従って
淡々と確認作業が進んでいきます。
司令補「増設は・・・これですね?じゃああぶって下さい」
八巻「はい、ではあぶります(あぶる=試験器で感知器を発報させること)
。。。はい、発報しました」
受信機で発報状況を確認している作業員より
作業員「警戒番号○○番、発報確認です」
と無線が入ります。
司令補「了解です。じゃ次は・・・」
と、ひとつずつ設備を確認。
途中途中で司令補さんが新人くんに
(こういう場合はここを確認してね)
等、ヒソヒソ耳打ちしています。なんか微笑ましい。
数が少ないので、20分もかからず検査は終了しました。
この消防検査が問題なくクリア出来ると、設置届の副本が返却され
1~2週間で発行される「消防用設備等検査済証」の受領をもって
無事完了(=消防署のお墨付き済)となります。
検査に来る消防官さんは基本的に怖くありません笑
中には不愛想な方もいない・・わけではないですが、
届出の内容を確認しに来ているだけなので
普通に進めていれば和やかなムードのまま終了します。
面倒なのは、飲食店の新規出店等で、
提出した図面通りの施工になっていなかったり
厨房機器周辺に定められた処理が施されていなかったりなど
書類が信用出来ない状態の場合で
細かく規定されている消防法を「このくらいはいいだろう」的に
遵守していない部分があると必ず法規通りに改善するよう求められます。
書類上では(言葉は適切ではないですが)うまく誤魔化せても
結局消防官が現場を見に来るので通用しないんですね。
そうなると改善が完了するまで検査済証はもらえず、
お店のオープンが予定より遅れてしまう、なんてこともあります。
安全確保のために自主的に設置されている場合を除き、
消防法によって設置が義務付けられている消防用設備は
正しく設置、正しく運用することで
その性能や効果を十分に発揮することが出来ます。
こういった届出類や検査等は一見面倒で煩わしくもありますが
皆様の安全・安心のために必要不可欠であることを
ご理解いただけますと幸いです。